● CDT Audio Audiophile Speaker Systems
■ブラキシャルスタイルのメリット
●1ヶ所への取り付けでフルレンジのレスポンスが得られる。
●ミッドレンジ/ウーファーの密閉ダストキャップが全体を覆いホコリの侵入を防ぐ。
●音響に共鳴しないマウント(アルミダイキャスト)がきわめてなめらかなレスポンスを実現する。
●時間整合の音響軸が鮮明なリスニング空間を作り出す。
●明確に限定されていながら、広い周波数領域で均一なポーラーレスポンスが得られる。
CDT のブラキシャルシステムが目指したのは、カーオーディオの音響特性を解釈した上で、それに最適な解決策を提供することです。その方法は、柔軟性が最大限でありながら最もシンプルなパッシブネットワーク、ドライバーシステム、配置方式を提供し、ソニックレンダリング(音の翻訳)に最高の品質を実現することです。それを可能にするため、パッシブクロスオーバー内の可変パラメータというコンセプトによって、高品質オーディオシステムに共通する繊細な音響という特徴を生み出しています。
CDT Audioのブラキシャルとは、ブラケットで取り付けるミッドレンジ/ウーファーとツイーターのアセンブリを意味します。これはつまり、コーンの頂点とツイーターダイヤフラムの双方から等距離にある点で空間が形成されることを意味します。さらにそれ自体も角度のついたツイーターは、取り付けの際に向きを設定することができます。そして理想的な位置に取り付けることができれば、取り付けにとってもリスニングにとっても最善の結果が得られます。
まず典型的なスピーカー構造を考えてみてください。コアキシャルスピーカーも単純なフルレンジスピーカーも取り付けは簡単で手間がかかりません。しかしフルレンジスピーカーは実際にはスピーカーとして充分な役割を果たすことができません。1個のスピーカーに“フルレンジ(全音域)で鳴る”のを求めるのは過大な要求であり、大きな犠牲を払わずにそれを実現するのは不可能です。最初に犠牲になるのは、分散、パワーハンドリング、歪みという3つのパラメータです。
コアキシャルの2ウェイスピーカーでは、メインコーンの頂点前方の軸上にツイーターを取り付けます。このツイーターは、メインコーンの音響をブロックすると同時につねにメインコーンの“前方”で音響を生成します。またコアキシャルデザインで用いる支持ポストは必ずダストキャップ内を通るため、ホコリがボイルコイルギャップ内に侵入したり、あるいはノイズを生み出す特殊な防止スパイダーを使ってホコリの侵入を防いだりしなければならなくなります。
前方にあるツイーターの背部とコーン頂点とが生み出す空間は共鳴キャビティを形成し、これがウーファーおよびツイーターの音響にカラーレーションをもたらすことが考えられます。この共鳴キャビティの大きさは、ミッドレンジ/ウーファーの偏位が大きければ変化します。またクロスオーバー周波数では共鳴リプルが発生する可能性があります。前方に取り付けたツイーターの音響はつねにメインコーンの“前方”にあるため、メインコーンと時間整合することが決してありません。しかもほとんどのコアキシャルスピーカーは、安価で単純なクロスオーバー部品を使用してアセンブリのどこかに組み込んでいます。
CDT Audioのブラキシャルデザインは以上の問題を解決しています。ダストキャップはミッドレンジ/ウーファーのすっきりとした延長ハイエンド部に装着しており、車両室内から侵入しようとするホコリを確実に防ぎます。ツイーターの取り付け位置は、ダストキャップ上でもコーン頂点でもありません。コーン領域に取り付けはするのですが、サイドの部分に取り付けるため、ツイーターがミッドレンジ/ウーファーと力強く結合し、円周上の配置によってウーファードームとツイーターを時間整合させることが可能です。
個々のドライバーについても、CDT Audioのブラキシャルデザインのほうが高性能の外部クロスオーバーネットワークによって結果が予測しやすくなっています。ブラキシャルアセンブリは、個別のシステムキットとして販売しているものとまったく同じ高品質のソフトドームツイーターを採用しています。ただしブラキシャルデザインの場合、ツイーターとミッドレンジ/ウーファーとによる音場の相互作用によって、各ドライバーが他のドライバーの出力を強調することが可能です。これによってクロスオーバー領域に幅広いポーラーレスポンスが生まれます。さらに、優れた時間整合性によって過渡レスポンスが向上し、正確性と明瞭性を高めます。
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